Blue Field

デザイナーとして働く2児の父

三男坊

朝、起きていつものように居間にあるケージに目をやる。我が家の三男坊ジャンガリアンハムスターは寝坊助でなかなか自分の家から出てこない。ただ、今朝に限っては床に敷かれたマットにうつ伏せになっている。少し様子が変だ。直ぐに近づいてみると背中が動いてない、いや、わずかに動いてるようにも見えるが錯覚かもしれない。手の平に乗せようと持ち上げると身体が少し硬くなっていた。後から起きてきた子どもたちもいつもと違う雰囲気を察して僕に近寄り、手のひらに乗せた末の弟の背中や頭を撫でた。

末っ子は昨年の5月に我が家にやってきた。どうしてもハムスターが欲しい次男坊を連れてペットショップに行った。ショップのお姉さんが可愛くて、つい言われるがままあれもこれもと購入したら支払いが1万円を超えたのを妻に馬鹿にされた。そうして生まれて間もないハムスターが我が家の一員となったわけだ。

最初は珍しくて面倒を見ていた息子たちも飽きてきたようで、餌やりや掃除も結局僕の役回りとなった。それでも、たまに外に出して運動させたり、友達を呼んで触らせてあげるのは息子たちの役目だった。
 
誰も泣かなかったがなんとなく部屋の空気が重くどんよりした。生き物に全く興味のない妻の表情も沈んだ。僕はジャンガリアンの寿命は2年から長くて3年と聞いていたので少し動揺した。確かに昨夜は元気だったはず。病気?餌の与えすぎ?肥満による心不全?なんとなく自分の責任のような気がしてならなかった。
 
僕と妻は仕事で息子たちは学校があるので、とにかく粛々と準備を済ませた。そして、小さな庭のそんなに隅っこじゃないところにスコップで穴を掘って三男坊の亡骸を埋めた。今週末にはちゃんと子どもたちと墓を作ってやろうと思う。なんとなくだが、しばらくケージはこのままにしておこうと思う。最初から居ないのと、いつも居たモノが居なくなるのは全然違うということ。当たり前だけど。